野村アセットマネジメントの「野村米国ハイ・イールド債券投信 (通貨選択型) 豪ドルコース」のリターンを検証してみました。
シミュレーションしてみたのは、次の4つのパターンです。
1.2011年4月25日に基準価額 14,657 円で購入し、5年間分配金を受け取った場合のトータルリターン
2.2015年4月27日に基準価額 8,840 円で購入し、1年間分配金を受け取った場合のトータルリターン
3.2011年4月25日から5年間毎月決算日(分配落ち日)にドルコスト法で1万円ずつ積み立てた場合
4.2011年4月25日から5年間、毎月決算日のうち、初回購入分の分配金がすべて特別分配金になるときだけ1万円ずつ積み立てた場合
いずれも、いったん買い付けた投資信託はそのまま売却せずに持ちつづけている場合で、買付手数料は最大の3.24%で計算しています。なお、この投信は売却時に0.3%の信託財産留保額が引かれます。
1.2011年4月決算日に購入すると、年平均3.5%
2011年4月25日に基準価額 14,657 円で購入し、5年間分配金を受け取った場合のトータルリターンを計算すると
基準価額の差は 6,648 - 14,657 = -8,009 円。
買付手数料 475 円を除くと -8,484 円。
これに全分配金 11,150 円を加算すると 2,666 円。
運用利回りは 2,666 ÷ ( 14,657 + 475 ) ÷5年×100% = 3.5 %/年
2.2015年4月決算日に購入すると、マイナス14.0%
2015年4月27日に基準価額 8,840 円で購入し、1年間分配金を受け取った場合のトータルリターンも同じように計算すると
基準価額の差は 6,648 - 8,840 = -2,192 円。
買付手数料 286 円を除くと -2,478 円。
これに全分配金 1,200 円を加算すると -1,278 円。
運用利回りは -1,278 ÷ ( 8,840 + 286 ) ÷1年×100% = -14.0 %/年
過剰分配ファンドは、こんな風になってしまう可能性があるという例になってしまっています。
[ads]
2011年4月決算日から毎月1万円ずつ積み立てると、年1.7%
2011年4月25日から5年間毎月決算日(分配落ち日)に、ドルコスト平均法で1万円ずつ積み立てた場合を試算すると
総購入額 600,000 円
現在価値 384,307 円(2016年4月25日時点での評価額)
受取り分配金合計 240,763 円
年換算運用利回り 1.7 %
1万円ずつ積み立てると、5,800円近い分配金を受け取ることになりますが、分配金を受け取らずに再投資した場合は年マイナス3.5%と損失になります。
初回買付分が特別分配金のみになる場合だけ買いつけると、年平均2.8%
最後に、2011年4月25日から5年間、毎月決算日のうち、初回購入分の分配金がすべて特別分配金になるときだけ1万円ずつ積み立てた場合を計算してみると
総購入額 320,000 円
現在価値 223,468 円
受取り分配金合計 116,609 円
平均保有期間 2.24 %
年換算運用利回り 2.8 %
償還期限がないならば、買い続けているうちにハイイールド債というリスクが高いが上ぶれる可能性もある投資対象とみることもできなくないでしょうが、10年間で償還されるので、近づかないのが無難でしょうね。
コメント