自分が保有している投資信託の損益を確認しているときに、なんだかよくわからないままに、なんとなくそのままにしてしまっていることはありませんか?
特にどちらも損益を表しているはずなのに違う数値が出る「評価損益」と「トータルリターン」ってどう違うのかなと疑問に思ったり、悩んでしまったりしている人もいらっしゃるかもしれません。
楽天ポイントが投資信託の購入に使えると聞いて、口座だけもっていた楽天証券を使い始めて3か月の私も、「なんかプラスマイナスの数字が並んでいるけどしっくりこないなぁ」と思いながらそのままにしていましたが、ようやくわかったので、忘備録もかねてこちらでシェアします。
評価損益とトータルリターンの違いって?
このページ、あるいは、YouTube動画では、楽天証券の管理画面に現れる投資信託の『評価損益』と『トータルリターン』の違いについて解説しています。
違いがわからなくても何か問題が生じるわけではありませんが、気になるかたは引き続きご覧ください。
課税対象にならない『特別分配金』がポイント
『評価損益』と『トータルリターン』でわかりにくいのは、『評価損益』のほうです。
評価損益は、税金を計算するときに必要となる数値。
税金は利益に対してしかかからないので、元本払戻金とも呼ばれる特別分配金分を除外する必要があり、これに関係する計算がわかりにくい最大の原因ではないでしょうか。
では、このあと、実際の楽天証券の画面を表示させながら解説します。
まず数値の違いをチェック
楽天証券にログインすると、『評価損益』が表示されています。
楽天ポイント6,000ポイント分すなわち6,000円が元金なので、6143円なら+143円になりそうにも思いますが、実際の評価損益は+178円。
上の画像のところにも見える「投資信託」をクリックすると、
トータルリターンは+221円。
『評価損益』と『トータルリターン』の数値が違うことを確認したら、まず『トータルリターン』って何ぞやという疑問点を解決しましょう。
トータルリターンとは?
評価損益とトータルリターンの両方が表示された画面をスクロールして下に行くと
個別銘柄のトータルリターンが表示されます。
フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)の+83円という表記の左に「プラスのマーク」があるので、それをクリックすると
フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)の トータルリターンの計算式が現れます。
これ、めっちゃ見やすくないですか?
これ以上説明する必要ないですよね?
と言いながら、説明します。
トータルリターンの計算方法
トータルリターンの計算方法は、現在の投資信託の評価金額に受け取った分配金をすべて加え(もしすでに解約した分があれば、それも加えて)、買付金額を引いたものです。
うーむ、やっぱり説明は不要でしたかね?
さきほどクリックした+83円の左の「プラスのマーク」ではなく、+83円の上にあるトータルリターンのすぐしたの「プラスのマーク」をクリックすると
個々の銘柄すべてのトータルリターンが現れます。
すべての銘柄のトータルリターンを加えると、全体のトータルリターンになります。
ここまで、トータルリターンについての説明は納得いただけましたか?
このブログではまだというかたは、YouTube動画でも同じように説明していますので、そちらもご覧になってみてください。
それでは、続いて、『評価損益』の解説をします。
ポイントとなるのは、そう
『特別分配金』
です。
投資信託の評価損益とは?
楽天証券公式ページによると
投資信託の評価損益は、「(課税対象かどうか)に用いる金額を計算したもの」との解説があります。
評価損益の計算式
評価損益を計算する式(算出式)は
評価損益=現在の評価額ー(平均取得価額×保有口数÷単位口数)
です。
平均取得価額とは
ここで気になるのが、平均取得価額。
楽天証券のよるあるご質問のページによると
平均取得価額は、取得金額から特別分配金を引き、それを保有口数で割ったもの。
特別分配金が出るたびに(税金をかけられない分配金が出るたびに)、平均取得価額が下がっていきます。
感覚としては「特別分配金の分だけ減った元手を基準にする」
損益の基準になるのが、トータルリターンは買付金額なのに対して、評価損益は「特別分配金の分だけ減った元手」と考えると良さそうです(実際には微妙にずれる場合があるのですが)。
実際の画面で、見てみましょう。
ピクテ・バイオ医薬品ファンド(毎月決算型)為替ヘッジなしコース の場合
各銘柄のトータルリターンを確認した画面に戻ると、トータルリターンの右に「あしあと」というところがあるので、その「詳細」をクリックします。
すると
評価損益は+50円、評価額は 1,037円。
このままスクロールして、画面を下に動かすと
10月の分配金が特別分配金で13円。
この13円分を最初の購入金額の1,000円から引いた、987円が税金を計算するときの新たな基準になって、評価額1,037円から987円を引くと、評価損益50円が得られます。
【少し謎】計算が一致しない場合もある
この「特別分配金の分だけ元手が下がる」という考えでは数値が一致しない場合もあります。
四捨五入のせいかなとも思いますが、具体例を示しておきます。
GS米国成長株集中投資ファンド 毎月決算コース の場合
GS米国成長株集中投資ファンド 毎月決算コースの場合は1円合いません。
ピクテバイオ医薬品ファンド同様、あしあとの詳細をクリックすると
評価額が1,021円、評価損益が+30円ということがわかります。
そのまま、画面の下のほうにいくと
8月の分配金が特別分配金で10円。
1,000円の元手から10円返してもらって(特別分配金=元本払戻金)、990円を新たな基準とすると、評価額1,021円との差は31円。
あれれっ!1円だけど合わない、ということになりました。
ということで、最後ぴったりとは行きませんでしたが、投資信託の評価損益の解説は以上となります。
トータルリターンのときと同じように、YouTube動画でも解説しています。トータルリターンと同じ動画で解説しているので、またかという感じでもありますが、よろしければそちらもご参考に。
まとめ
- トータルリターンと評価損益の違いが生じるのは、評価損益は税金の計算に使うため
- トータルリターンは、「買付金額を基準」にして損益を計算したもの
- 評価損益は、感覚的には「(税金のかけられない)特別分配金を除いた買付金額を基準」にして損益を計算したもの
以上、投資信託のトータルリターンと評価損益の違いについてでした。
分配金の出ないインデックス型の投資信託などであればこんな面倒なことはないですが、毎月分配型は私のようなキャッシュフロー目的の人には、手数料が高くても魅力的な投資商品かと思います。
このブログやYouTubeでは、こういったキャッシュフロー目的のための投資を、楽天ポイントを使ったりOne Tap BUY(ワンタップバイ)を使ったりして少額の1000円単位から行っています。
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最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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