野村アセットマネジメントの「野村テンプルトン・トータル・リターンDコース」(日経新聞では「TリタD」と表記)の分配金を含むリターンを検証してみました。
試算したのは、以下の3つのパターンです。
1.2012年9月の決算日に購入し、3年間分配金を受け取った場合のトータルリターン
2.2014年9月の決算日に購入し、1年間分配金を受け取った場合のトータルリターン
3.2012年9月13日から、3年間毎月決算日(分配落ち日)にドルコスト法で1万円ずつ積み立てた場合
いずれも、いったん買い付けた投資信託はそのまま売却せずに持ちつづけている場合で、買付手数料は3.24%として計算しています。消費税以外の税金は考慮していません。
2012年9月決算日に購入すると平均年16.8%
2012年9月の決算日に購入し、3年間分配金を受け取った場合のトータルリターンを計算すると、基準価額の差は 13,282 - 10,871 = 2,411 円で、買付手数料 352 を引くと 2,059 円。
これに全分配金 3,600 を加算すると 5,659 円となるので、運用利回りは 5,659 ÷ ( 10,871 + 352 ) ÷3年×100% = 16.8 %/年。
2014年9月の決算日に購入すると年-1.6%
2014年9月の決算日に購入し、1年間分配金を受け取った場合のトータルリターンを計算すると、基準価額の差は 13,282 - 15,435 = -2,153 円で、さらに、買付手数料 500 を引くと -2,653 円。
これに全分配金 2,400 を加算しても -253 円とプラスにはならず。
運用利回りは -253 ÷ ( 15,435 + 500 ) ÷1年×100% = -1.6 %/年。
2012年9月決算日から毎月定額積み立てると、平均年4.8%
2012年9月13日から、3年間毎月決算日(分配落ち日)にドルコスト法で1万円ずつ積み立てた場合、総購入額360,000円に対し、2015年9月決算日時点での評価額は320,800円、受取り分配金合計が65,135円なので、年換算運用利回り4.8%。
1万円ずつ3年間積み立てると月4,800円ほどの分配金を受け取ることにはなりますので、人気なのはわからなくありません。
シミュレーションの結果は4.8%とそんなにすぐれた数字にはなりませんでした。ファンドの基準価額が右肩上がりのときに買いつけていくと、その後下落したときに結果的に高い基準価額で多く買い付けてしまうことになるからです。
それ以上に、テンプルトン・トータルリターンって、新興国を含む債券へ投資するファンドだったということを知りませんでした。
超高配当を生み出しているのは、為替取引による部分も多そう。それをどう判断するか。あと6年程度で償還になるので、集中して資金を預けるのだけは避けたいですね。
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